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真空管アンプ知識集

レコードを聴いてみよう!(レコード入門編)

レコードを聴きたいけど・・・


アナログレコードを聴いてみたいけど、レコードプレーヤーと言ってもピンからキリまであるし・・・。
どんなものを揃えればいいのか、それを揃えるにはいくらぐらいお金がかかるのかなどなど。
初めての方にも分かりやすくレコードを聴くことについてお話してみることにします。

レコードプレーヤー

レコードとアナログレコードどちらが正しい言い方?


昔は単に「レコード」と言っていました。ところが近頃では「アナログレコード」という言い方をよくします。
そもそもレコード(record)の意味は「記録」です。
その昔は音を記録しているものはレコードしかありませんでしたので単にレコードとかレコード盤などと言っていました。
ところが1980年代にCDが出現しました。CDも音楽記録媒体ですからレコード盤と言ってもいいことになります。しかし当時は今さらレコードって古臭い言い方はないだろうってCDで定着しました。

CDは音をデジタル化して記録したもの、それに対し従来のレコードはアナログ信号を記録していました。
そこでCDと区別するため従来のレコードをあえてアナログレコードを言うようになったわけです。
つまり、「レコード」も「アナログレコード」もどちらも同じで正しい言い方ということになります。

「アナログレコード」 デジタル全盛の今の時代、あえてアナログと付けることで特別感とこだわりが込められてプライドと満足感を満たすのかもしれません。
どんどん小型化する中でLPレコードの30cmもあるあの大きさはジャケットと共に存在感抜群です。

レコードを聴くために用意する機器

レコードを聴くには


レコードを聴くにはまず下記の機器を用意する必要があります。
(1) レコードプレーヤー
(2) フォノ・イコライザー
(3) アンプ
(4) スピーカー

すでにアンプとスピーカーをお持ちでしたら
(1) レコードプレーヤー
(2) フォノイコライザー
だけを用意すればいいです。
また、コンポをお持ちでしたらそのコンポにAUX入力があればフォノイコライザーの出力をAUX入力に入れ聴くことができます。
いずれにせよレコードを聴くためには レコードプレーヤー と フォノイコライザー が必要になります。

フォノイコライザーの役目はレコード信号をCDなどと同等のレベルにすることです。フォノイコライザーの出力をアンプに入れるとレコードの音楽再生ができるのです。
レコード再生のポイントはフォノイコライザーというアンプが必要ということです。
フォノイコライザーについては次のところで詳しく説明します。

昔のプリ・メインアンプにはフォノイコライザーが内蔵されていましたが現在ではレコードを聴くことはほとんど無くなったためコンポをはじめほとんどのアンプにはフォノイコライザーは内蔵していません。
ですから単体で別に用意する必要があります。

また、最近のレコードプレーヤーはフォノイコライザーが内蔵されているものもあります。
手っ取り早くレコードを聴くにはフォノイコライザー内蔵のレコードプレーヤーも良いです。フォノイコライザー内蔵のレコードプレーヤーの場合その出力をアンプにつなげばレコードを聴くことが出来ます。CDプレーヤー感覚ですね。



フォノイコライザーの役目

   フォノイコライザー   AT-PEQ20
   音の工房製 SK-EQ10-C          オーディオテクニカ製 AT-PEQ20

レコード聴くためにはフォノイコライザーが必要と述べましたが、ではなぜ必要なのかもう少し詳しく説明します。

レコード盤の溝をレコード針がとらえ電気信号にするのがピックアップカートリッジというものですが、レコードからの信号はとても小さく、そのうえ低音と高音のレベルが一様ではありません。そのままアンプに入れても蚊の鳴くようなシャリシャリと言った小さな音しか聞こえてきません。

そこでこのフォノイコライザーの登場です。
フォノイコライザーはまず小さな信号を充分な信号まで増幅します。それと同時に低音から高音まで原音と同じような特性になるように周波数補正を行う仕組みを持っています。この補正をRIAA補正と言っています。

フォノイコライザーは信号増幅とRIAA補正を行うアンプなのです。
微小信号の増幅ですから技術的に難しいところもあります。
また、周波数補正を行うため音質に大きな影響を与えます。
このためフォノイコライザーによりレコード再生音に違いが出てくるのは当然です。だからフォノイコライザーなら何でもいい(なんでも同じ)という訳にはいかないのです。


フォノイコライザーの問題点

「入力をCDからレコードに切り替えると音が小さくなりボリュームを思いっきり上げなければいけない」
という話をよく聞きます。
逆にレコードからCDに切り替えると音が大きすぎてびっくりする。レコードの音の小ささにはストレスを感じるという方も少なくはありません。

これはフォノイコライザーの増幅度の小ささに起因します。
その昔まだCDがない頃は比較する音源が無かったことからそんなに問題にはなりませんでした。
また技術的にも昔のフォノイコライザーは増幅度を上げるとそれに比例してノイズも大きくなり、無理に大きな増幅をしませんでした。
ところがCDが出現してCDプレーヤーの出力規格が結構大きな出力を出すものになったのです。

CDは規格がしっかり決められどんなCDプレーヤーを使っても出てくる信号の大きさは同じです。
それに比べレコードの場合は、まずカートリッジにより取り出せる信号の大きさが各社まちまちです。その上フォノイコライザーの増幅度も各社同じではありませんでした。
ですからカートリッジとフォノイコライザーの組み合わせで取り出せる信号の強さにかなりの違いが出てしまうことになったのです。

取り出せる信号の小さなカートリッジに増幅度の小さなフォノイコライザーの組み合わせの場合、先に言ったようなCDとの聴き比べで音量に大きな差が出てしまうことになったのです。

レコードは圧縮音源だった

レコードとは


最近のデジタル音源は高度な圧縮技術を駆使して作られています。
それに対してアナログ音源の代表格レコードは、圧縮などしていない生の音を記録していると思いきや、(少々大げさに言うと)実は圧縮音源だったというお話。

レコードの歴史を少し。
まずレコードの発明者は言わずと知れた発明王エジソンさんです。
エジソンが発明したレコードプレーヤーはフォノグラフ(蓄音機)と言うもので、最初のレコードは円盤形ではなく円筒状のものでした。その表面に蜜蝋を塗り、その上に針で傷をつけて音声を記録したものを再生していました。

蓄音機
画像:Wikipediaより

この円筒状のレコードはのちに円盤形に改良され大量生産が可能になりました。そうしてレコードは広く普及することになったのです。
さて、そのレコードには音の溝が刻まれています。この溝が音声信号や音楽信号そのものです。最初のレコードは4分程度しか記録できなかったようです。それを長い時間にするため色々な改良や工夫がされました。

 

 

レコードが圧縮音源と言う ワケは

音には低音(低い周波数)から高音(高い周波数)までいろいろあります。
じつは、音をそのまま録音すると高音より低音の方が振幅が大きいものです。
このままレコードの溝に刻み込むと低音の振幅が大きいものだから隣の溝まで行ってしまいレコードとして成り立ちません。

そこで考えられたのが低音の振幅を小さくして、つまり圧縮して刻み込み再生するときに低音の小さくした分だけ増幅して元の音を再現しようとしました。
実は高音はその逆で増幅して刻み込み再生するときに減衰して元の音を再現しています。
つまり、記録時に圧縮して再生時に解凍する現在の圧縮音源に通ずるところがあったわけです。

この様にレコードの溝の音源信号には各周波数で増幅比率が決まってるのです。これをRIAAカーブと言います。
フォノイコライザーはこのRIAAカーブに従った周波数の補正を行うアンプなのです。
RIAAとはアメリカレコード協会のことで、そこが提唱した補正特性です。
音楽の本場はやはりアメリカだったのですね。 



レコードプレーヤー入門

レコードプレーヤーの各部名称

レコードを聴くにはまずレコードプレーヤーが必要です。
現在各社いろいろなプレーヤーを販売していますが、まずは主要部分から説明してみます。

レコードプレーヤーは主に次のような部品で構成されています。
■ターンテーブル :レコードを回転させる部分
■カウンターウエイト :カートリッジの針圧を決めるためのバランサー
■リフターレバー :レコードに針を落とすときゆっくり落ちる機構のレバー。針の上げ下ろしはこのレバーで行います。
■トーンアーム :カートリッジをスムーズに動かす部分
■カートリッジ :写真で見える黒い部分はヘッドシェルと言い、その中にカートリッジが取り付けられています。

このほかに最近ではいろいろな付属機能が付いたプレーヤーもあります。
■フォノイコライザー内蔵 :
レコードプレーヤーの内部にフォノイコライザーが内蔵されていて、出力をアンプやコンポなどにつなぐだけでレコードを楽しむことが出来ます。手軽にレコードを楽しみたい需要に応えたものです。

■フルオートプレイ :
ボタンを押すだけで自動的に針がレコードのところへ移動し音楽を再生します。そしてレコードの最後の曲が終わると自動的に針を元に位置に戻してレコードの回転を止めるという便利な機能です。

■USB録音、デジタル出力:
レコード再生と同時にUSBメモリーに録音できる機能や、外部にデジタル出力が出ていてレコードの曲をデジタルファイルに出来るものなどがあります。ほとんどはMP3レベルの普通の音質でCD並みのデジタル化という訳には行きません。

カートリッジ(MM型カートリッジとMC型カートリッジの違い)

カートリッジはレコードの音をピックアップするレコード針のついた部分です。
レコード針の振動を電気信号に変換する重要なセンサー部分になります。
この電気信号に変換する方式として、MM型と言う方式と、MC型と言う方式があります。

MM型(ムービング・マグネット方式)

音の振動を電気信号に変換するものにマイクやエレキギターのピックアップなどがあります。実はカートリッジもこれらと同じ原理なのです。
コイルの中で磁石を振動させると振動に対応した小さな電気が発生します。
この原理を応用してレコード針の振動を小さな磁石に伝えてその周りのコイルから音楽信号を取り出します。
磁石が振動するので「ムービング・マグネット」頭文字をとってMM型と言います。
メーカーによってはMV型とかMI型と称しているところもあります。

MM型の特長
・比較的大きな電気信号を取り出すことが出来る。(2mV~10mV)
・構造的にレコード針だけの交換が可能なものが多い。
・比較的手ごろな価格で、種類も豊富。一般的なカートリッジです。

MC型(ムービング・コイル方式)

MC型の場合は磁石は固定されていて、針の振動をコイルに伝えコイル自体が振動し音楽信号を取り出すようになっています。
MM型と違い非常に小さなコイルしか取り付けることが出来ませんので出てくる信号もMM型の1/10程度のとても小さな信号しか出てきません。しかし、その音質は優れたものが多く、オーディオマニアには高価ですが強く支持されています。

MC型の特長
・一般的に優れている製品が多い。
・小さな信号しか取り出せず、MCトランスやMCヘッドアンプなどMM型と同様な信号にするための増幅するものが必要になる。
・MM型のように針だけを交換することはできず、針とカートリッジが一体になっているのが一般的。

トーンアーム

トーンアームはカートリッジ部分をスムーズにレコード溝に沿って動かす役目があります。
また、針圧を調整する重り(カウンターウエイト)調整機能やアンチスケーティング機能などがあります。

トーンアームにはロングアームとショートアームがあり、普通のレコードプレーヤーに付いているのはほとんどがショートアームです。ロングアームの方が針位置がどこであってもレコード溝に対してほぼ同じ角度になるため理想的です。ただその分だけプレーヤー自体の大きさが大きくなります。

トーンアームの形状もまっすぐなストレートタイプと上の写真のようなS字に曲がったS字タイプ、J字タイプなどがあります。
性能としては大きく変わることは無いのですがストレートタイプはヘッドシェル交換ができないものが多く、カートリッジやヘッドシェル交換を考える場合はS字タイプやJ字タイプを選んだ方が良いです。
また、S字タイプの曲線は見た目に美しく好まれる一因です。

ターンテーブル

レコードを正確に回転させる必要があります。それを担うのがターンテーブルです。
回転ムラや不正確な回転は曲の音程やリズムに影響を与えます。また、回転の開始時点では短時間で正確な回転にならなければいけません。
モーター音や回転音も気になるところです。静かで力強い回転が要求されます。
ターンテーブルを回転させる方法に「ベルトドライブ方式」と「ダイレクトドライブ方式」があります。

ベルトドライブ方式

モーターの回転をベルトを介してターンテーブルに伝える方式のものです。
モーターの振動が直接ターンテーブルに伝わらず静かな回転ができます。
ただ、ベルトは消耗品ですので長年使っていると伸びたり変形したりするため回転ムラやスリップが起こります。
そのような時はベルトの交換、張り替えが必要になります。ベルトドライブの宿命です。

ダイレクトドライブ方式

技術の進歩で、正確な回転でトルクがあり(力強い)静かなモーターが手に入るようになりました。
そのようなモーターを中心に置き直接ターンテーブルを回転させます。
最大の利点はベルトなど消耗するものが無いので長寿命と安定した回転が得られることです。