大型アンプの最終試作

真空管300Bを使用した大型真空管アンプの最終試作が完成しました。3次試作でやっと最終の形が決まりました。
型式は「SK-300」です。

上が真管保護カバー無しで通常の販売はこの形になる予定です。下はオプションの保護カバーを付けたところです。

やはり300Bの音は素晴らしく、この球の内部抵抗が小さいこともあり無帰還の音も魅力的です。
そこで、フィードバックNFB(負帰還)を利かせたものと無帰還のものを切替スイッチでどちらでも聴けるようにしてみました。
ダンピングがほどよく効いたNFBの音と、300Bの飾らない無帰還の音を聴き比べしていただけます。(※1)
出力も8W+8Wですので余裕のある豊かな音で音楽を楽しめると思います。

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<※1解説>
NFB(負帰還)とは音質を改善する回路手法の一つです。回路上電気的フィードバックすることで周波数特性の改善、歪率の改善、ダンピングファクターの改善などを行うことができ、全体の音質を向上します。
無帰還とはこのNFBフィードバックを行いません。そのため真空管そのままの特性となります。
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今のところのスペックは
・300B三極管シングルステレオ(A級動作)
・出力8W+8W
・10Hz~70kHz(-3dB)
・残留ノイズ200μV以下
・接続スピーカーインピーダンス:4~8Ω
・入力3系統(正面SELECTORスイッチ切替)
・無帰還/NFB負帰還 切替スイッチ付き
・真空管照明ON/OFFスイッチ付き
・幅440×高240×奥330(390)

真空管にはやはり木の温もりが似合うと思い、サイドウッドと上面にもウエーブの効いた無垢のけやきを付けました。
SK-100と違い標準でウッドを付けます。
音の工房のアンプはこのけやきが特徴でシンボルみたいなものになってきました。

当初、真空管の照明はありませんでした。
試作段階でどうも外観的に今一つ物足りなさから真空管の足元の照明をしてみました。
そうすると真空管が浮かび上がりとても雰囲気が良いのです。

もともとサイドウッドや照明なんて音とは全く関係ないですし音を聴くだけなら無くてもいいものです。材料費も安くなり価格も少しは安くなるでしょう。
しかし、ある程度の金額を投資して真空管アンプを手に入れるわけですから、所有したときの満足感も必要なのではないでしょうか。
金属のシャーシ、ガラスと金属の構造物真空管、金属のスイッチにツマミ。そんな中にウッドの木の温もりやきれいな照明はどこか癒されるものがあります。
音楽を聴きながら真空管アンプを眺める。それもオーディオ趣味のひとつかと思います。

さて、最終試作が完成しましたがまだまだ多くの試験やデータ取りがあります。
実際の販売は2019年8月になるかと思います。もうしばらくお待ちください。