「真空管アンプ」カテゴリーアーカイブ

真空管アンプに関する内容の記事です。

JBL STAGE A130スピーカー

以前から気になっていたスピーカーJBLのSTAGE A130を入手しましたのでご紹介します。

このスピーカーは何と言っても価格がリーズナブルで評判がいい、さて音の工房の真空管アンプとの相性はどうか実際に聴いてみることにしました。
真空管アンプSK-200-HBと並べたところがこの写真


サランネットをはずしてみるとちょっとおしゃれな顔立ちになります。
ホワイトコーンがとても綺麗。

まずは音の第一印象は、うん、なかなかやるなぁって感じです。
実勢価格で(2本1組)25,000~30,000円くらいです。なんとお財布にやさしい。

開封して初めの音こそ「あれ?」って感じでしたが2~3日エージングしていくとその実力を聴くことが出来るようになりました。高音中音はきれいで問題なし、そして低音がこの箱のクラスにしてはちょっと信じられないほどいいんです。
ただ、ここで取り上げたスピーカーなので音の工房がお薦めのスピーカーかと言われるとそういうことではありません。

次のような方に良いスピーカーかと思います。
・オーディオを始めたばかりで高額な機器は揃えられない、でも良い音で音楽を聴いてみたい。
・別セットとして書斎や寝室にサブスピーカーを用意したい。
・BGMで音楽を聴くがそれなりの良い音で流していたい。
などちょっとしたオーディオシステムのスピーカーとしては良いのではないかと思います。

<STAGE A130の仕様>
2ウェイ・133mm ウーファー、25mm アルミニウム高音域ユニット・スピーカー
133mm ポリセルロース低音域ウーファー
25mm アルミニウムドーム型高音域ユニット

周波数特性: 55Hz~40kHz
感度: 86dB @ 1M, 2.83V
公称インピーダンス: 6Ω
クロスオーバー周波数 3,2kHz
キャビネット形式 リアファイアリング・チューンドポート・ベースリフレックス
寸法 (WxDxH): 190 x 230 x 321mm
重量: 5.45kg

このスピーカーはバスレフ型でバスレフの穴が後面に開いています。
このように後ろにバスレフ穴があるスピーカーの場合、設置上の重要な注意点があります。
それは後面を壁にくっつけるような置き方をしてはいけない事です。必ず後ろの壁から15cm以上離して設置してみてください。
このバスレフ穴から出た音(特に低域音)は後壁に反射して前面へ出てきます。この時前面の音とうまく結合して豊かな低音を作り上げます。
後の壁にピタッとくっつけるとこの効果がなくなりちょっと残念な音となってしまいます。
後の壁との距離により音が変化することがあります。ご自分の好みに合わせて壁との距離を置いてください。

JBLのスピーカーターミナルは上のような写真のターミナルです。
これを見てJBLのスピーカー端子はバナナプラグに対応していないとのネット記事が散見されます。
しかしそのような事はなくちゃんとバナナプラグに対応しています。ターミナルの真ん中にある丸いおへそのようなものが外せるのです。ちょっと外しづらいですがピンセットか小型ドライバーのようなもので真ん中のおへそのようなものを取り外します。

外すとバナナプラグが挿し込める金属部分が現れます。



このJBL STAGE A130と音の工房の真空管アンプの相性ですが、いいですねぇ。(あくまでも個人の感想です笑)
周波数特性が「55Hz~40kHz」、インピーダンス「6Ω」、そして感度が「 86dB」 と申し分ありません。

音の好みは人それぞれです。
なので好みのスピーカーも人それぞれです。
あなたにとって好みのスピーカーと出会う奇跡は・・・。

大型アンプの最終試作

真空管300Bを使用した大型真空管アンプの最終試作が完成しました。3次試作でやっと最終の形が決まりました。
型式は「SK-300」です。

上が真管保護カバー無しで通常の販売はこの形になる予定です。下はオプションの保護カバーを付けたところです。

やはり300Bの音は素晴らしく、この球の内部抵抗が小さいこともあり無帰還の音も魅力的です。
そこで、フィードバックNFB(負帰還)を利かせたものと無帰還のものを切替スイッチでどちらでも聴けるようにしてみました。
ダンピングがほどよく効いたNFBの音と、300Bの飾らない無帰還の音を聴き比べしていただけます。(※1)
出力も8W+8Wですので余裕のある豊かな音で音楽を楽しめると思います。

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<※1解説>
NFB(負帰還)とは音質を改善する回路手法の一つです。回路上電気的フィードバックすることで周波数特性の改善、歪率の改善、ダンピングファクターの改善などを行うことができ、全体の音質を向上します。
無帰還とはこのNFBフィードバックを行いません。そのため真空管そのままの特性となります。
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今のところのスペックは
・300B三極管シングルステレオ(A級動作)
・出力8W+8W
・10Hz~70kHz(-3dB)
・残留ノイズ200μV以下
・接続スピーカーインピーダンス:4~8Ω
・入力3系統(正面SELECTORスイッチ切替)
・無帰還/NFB負帰還 切替スイッチ付き
・真空管照明ON/OFFスイッチ付き
・幅440×高240×奥330(390)

真空管にはやはり木の温もりが似合うと思い、サイドウッドと上面にもウエーブの効いた無垢のけやきを付けました。
SK-100と違い標準でウッドを付けます。
音の工房のアンプはこのけやきが特徴でシンボルみたいなものになってきました。

当初、真空管の照明はありませんでした。
試作段階でどうも外観的に今一つ物足りなさから真空管の足元の照明をしてみました。
そうすると真空管が浮かび上がりとても雰囲気が良いのです。

もともとサイドウッドや照明なんて音とは全く関係ないですし音を聴くだけなら無くてもいいものです。材料費も安くなり価格も少しは安くなるでしょう。
しかし、ある程度の金額を投資して真空管アンプを手に入れるわけですから、所有したときの満足感も必要なのではないでしょうか。
金属のシャーシ、ガラスと金属の構造物真空管、金属のスイッチにツマミ。そんな中にウッドの木の温もりやきれいな照明はどこか癒されるものがあります。
音楽を聴きながら真空管アンプを眺める。それもオーディオ趣味のひとつかと思います。

さて、最終試作が完成しましたがまだまだ多くの試験やデータ取りがあります。
実際の販売は2019年8月になるかと思います。もうしばらくお待ちください。

SK-100に黒色ツマミ仕様

先日、お客様から「真空管アンプSK-100-DBのツマミを黒色にすることはできませんか?」とのお問い合わせをいただきました。

そのお客様はオーディオ機器を黒色で統一しているようで、本来シルバー色のツマミを黒色にできないかとのご相談でした。

今使用しているツマミはシルバー色しかありませんので別のメーカーのものを探さなければいけません。
実は以前大型アンプのツマミを探しに秋葉原へ行ったとき、質感が良い黒色ツマミを見つけて入手しておいたものがありました。それを付けたところなかなかいい感じで違和感がありません。

既存のツマミ

黒色ツマミ

ツマミって色々な種類がありますが、なかなか気に入ったものが見つからないものです。
特に黒色ツマミとなるとプラスチック製のものはいろいろありますが、このアンプにはどうしても似合いません。やはり金属メタル製のツマミになります。—メタル製黒色ツマミは種類が少ない!

もうひとつの問題が、入手性は良いかということがあります。
今回は特注仕様でこれ1台だけでも良かったのですが、今後のことを考えると入手が比較的良いものを選んでおきたかったのです。

今回選んだ黒色ツマミは形、質感ともよくSK-100にマッチしていると思います。
特注仕様でしたがオプションで「黒色ツマミ仕様」を作ってもいいかなと思いました。

オプション費用は3,500円(税込3,780円)

ご興味のある方はお問い合わせください。

真空管アンプの製作:配線用のツイストペア線作り

真空管アンプの製作のまず初めは配線用のツイストペア線作りからです。

音の工房ではアンプ内の配線はほとんどをツイストペア線にしたものを使用しています。
まず、「ツイストペア線」とは2本の線をスパイラル状によった状態のものを言います。中尾彬がストールを巻きつけた「ねじねじ」のような状態にしたものです。

では、なぜわざわざツイストペア線を使うのかと言いますと、このツイストペア線はとても優れモノだからです。
配線された線からは条件によってノイズは発したり、逆に外部のノイズ影響を受けて信号がノイズ交じりになったりすることがあります。
これらの現象を防いでくれるのがツイストペア線なのです。

電流は必ず行きがあれば帰りがあります。つまり、進行方向の線があればその帰りの線もあるのです。行きと帰りの線をツイストによることで、あーら不思議ノイズも発しなければ外部のノイズの影響も受けにくくなるのです。
このツイストペア線のおかげで、雑音ノイズのない透明で美しい音の真空管アンプを作ることが出来るのです。

それほど大事なツイストペア線の作り方は2本の線材の片側を万力に挟み固定して、もう片方をドリルにつけて作ります。
この時、電動ドリルだと簡単にできますが回転が速いため仕上がりが今一つ。
そこで少々手間はかかりますがハンドドリルを使っています。
ハンドドリルだと回転具合、引っ張り具合など手で感じながら巻き上げることが出来仕上がりがとてもよくできます。


手前ハンドドリル、片方を奥の万力に固定しドリルを手加減しながら回していきます。


今回製作したのがこれらのツイストペア線です。

この様に細かなところに手間を掛けることでいいアンプを作ることが出来ます。
音の工房の真空管アンプSK-100はボリュームを最大に回しフルボリュームにしてもスピーカーから全くノイズが聴こえません。まるでアンプの電源が入っていないのかと思うくらいです。
音楽の信号だけを純粋に増幅する、ノイズ混入ゼロだから透き通った良い音が再現できるのです。

音の工房 http://otonokobo.jp/

300Bシングル真空管アンプ試作

当初「全段差動プッシュプル」真空管アンプを作ろと考えていましたが、ひょんなことから300Bの真空管で「シングルアンプ」を試作することになりました。

トランスは手持ちのタンゴのトランスです。
初段は差動回路で2段目はSRPPを使い300Bを駆動します。300Bは定電流駆動にしました。300Bでの定電流一度やってみたかったのです。
300Bのような直熱管はハムノイズが出やすいためフィラメントは直流給電しています。それとシングルは電源ハムを受けやすいので電源回路にはFETによるリップルフィルター回路を入れました。この効果は抜群でした。

詳細なデータ採取はこれからですが、最初の音出しではかなりいい線いってます。300B定電流駆動はなかなかいいです。そしてハムやノイズも全くなく無音です。
まずは第一段階成功と言ったところでしょうか。

今回使用したタンゴのトランスはタンゴ自体がすでに廃業されてトランスは生産されていません。本当に残念です。
今回使用した出力トランスは「XE-20S」と言うものですが、いずれこれに代わるトランスを見つけなければいけないとなると気が重いです。と言うのも出力トランスでもちろん音が違ってくるものですから。

今まで使っていたタンゴのトランスも無くなると思い入れもあり、とても良いもののように思ってしまいます。
しかし案外技術進歩で最近のトランスもいいものになっているかもしれません。そうあることを期待してトランス探しを始めることにします。

真空管の選別

SK-100に使用している真空管PCL86の選別を行いました。

以前にも「ペア真空管」の記事で書きましたが、通常ペアの真空管選別は真空管測定器などで真空管の特性を計測し似たものを2本組み合わせてペア真空管とします。特にプッシュプル方式の回路では有効な方法です。

しかし、SK-100の回路は超三結のシングル回路ですので通常の方法では正しいペア選別をすることはできません。
そして、PCL86が複合管(3極管と5極管の二つの真空管が入っている)であることともあり実際の回路で動作させデータを取って選別するしかありません。

そこで、実際の超三結回路と同じ回路の試験機を用意して既定の入力信号を入れた時の出力を正確に記録します。
真空管だけを入れ換えて100個の真空管を計測します。
その結果から出力値が同じもの(あるいは近いもの)を2個づつ選んでペア真空管とします。
これで左右のアンプの状態が同じ特性で揃うことになります。

読売新聞に「真空管アンプ」の記事

5月15日付の読売新聞12面にでかでかと真空管アンプの記事が掲載されていました。

真空管アンプはブームなんですね。
退職されたお父さんの趣味として、また真空管を知らないデジタル時代の若者のもの珍しさなどきっかけはそれぞれでも真空管アンプの音に魅せられる人は多いのですね。

一部のオーディオファンだけでなくこうして一般紙に記事が掲載されると多くの方の目に触れ「真空管アンプ」の認知度が増して行くことはいいことではないでしょうか。
「真空管アンプ」と言っても大小、価格も高低いろいろなものがあります。自分に合った真空管アンプに是非巡り合ってもらいたいものです。

ペア真空管(その2)

先の記事で「プッシュプル回路が正しい増幅ができない。」と書きましたが、正しい増幅とはどんなことなのでしょう。

音の信号は+側と-側の波形から成り立っています。
プッシュプルアンプはその信号を+側、-側に分けて別々に増幅します。
そのため2つの真空管が必要になるのです。
そこで、この2つの真空管の特性が違うと増幅された信号が+側と-側で違った大きさになり、違和感のある音になってしまいます。

そこで2本の真空管の特性が合っている『ペア真空管』を使うことになるわけです。そうすることで入力波形を原型通り増幅でき原音再生を行うことになります。

ちなみに2本の真空管+側-側別々に増幅した信号は出力トランスで結合され増幅された音の信号になりスピーカーを駆動します。

 

ペア真空管(その1)

『ペア真空管』とは特性の揃った2本の真空管のことを言います。

そもそも『ペア真空管』がなぜ必要なのかと言うことを説明します。
プッシュプル回路で使用する真空管は2本の真空管で動作します。その2本の特性が揃っていないと正しい増幅ができないことになります。

そこで、2本の特性が揃った真空管が必要になり『ペア真空管』として売られているわけです。

それでは、シングル回路の場合はどうでしょう。
シングルと言うように1本の真空管で動作しますのでプッシュプルのようなことはありません。
しかし、アンプはステレオですから左と右があります。左右の増幅度が違うと音の中心がずれてしまうことになります。

そこで、シングルの場合は増幅特性の揃った2本の真空管があればいいことになります。SK-100のようなシングル回路で使用する真空管は増幅特性が揃った『ペア真空管』が求められます。

音の工房ではSK-100と同じ回路の試験機を用意して、真空管を計測しています。
入力を一定にして出力を計測し同じ値(近い値)のものをペアとして組み合わせます。