300B真空管の聴き比べと品質比較

300Bの真空管、メーカーの違いによりどの程度音に違いがあるのか聴き比べをしてみました。
まずは同一回路(A級シングル回路)においては電気的性能の差はほぼ同じで大きな違いはありませんでした。
今回試験した300B真空管は3つのメーカーのものです。

■ (1) JJ社製 JJ-300B
「ジェージェー」で親しまれているスロバキアの真空管製造会社JJ Electronic社の300Bです。

■ (2)PSVANE製 300B
中国湖南省にある長沙恒陽電子有限公司でブランド名PSVANE(プスバン又はプスヴァン)の300Bです。

■ (3)Electro-Harmonix社製 300B GOLD
Electro-Harmonix社製の300B-GOLDでグリッド電極に金メッキをしたもの

聴き比べに使用する機器は、
・真空管アンプ:弊社音の工房のSK-300
・スピーカー:JBLのSTUDIO290
で行いました。
私の個人的評価であり、何かの基準に対する相対評価でもありません。
もちろん私はプロのオーディオ評論家でもなく、他の人より良い耳を持っているという自覚も特にありません。
ただ、日々真空管アンプ作りをしていて音出し試験も行っているためか音のひずみや割れなど違和感はすぐに感じ取れるのはあります。
プロの評論家でない者が聴き比べをおこない感じたままを書いたものであることをまずは申し上げておきます。

■ 300B聴き比べ
まずは3種類の300Bを聴いてみて全体の感想ですが、違うメーカーとは言え今回比較した3種類は音質に極端な違いは感じられず、どれも似た傾向の音質であると感じました。
以下各300Bの聴いた感想です。

■ (1) JJ社製 JJ-300B

角の取れた聴きやすい音ながら明瞭感もあり、音に余裕がある豊かさを感じました。安定感は抜群です。
・中音:明瞭感がありきれい
・高音:明るく聴きやすい
・低音:充分な豊かさがあり安定感がある

■ (2)PSVANE製 300B

とても聴きやすい音で長時間聴いていても疲れない感じを受けました。ついつい次の曲も次の曲も聴いてみたいと思わせる良い音と感じました。
・中音:抵抗なくすーと入ってくる
・高音:目立ちすぎず奇麗さがある
・低音:しっかり目で豊かさもあり

■ (3)Electro-Harmonix社製 300B GOLD

ずば抜けて特徴があるということはなく、大きな癖もなく優等生という感じ。300Bとして間違いない音を聴かせてくれました。
・中音:明瞭感がありきれい
・高音:きめ細かさもあり
・低音:誇張しすぎず申し分ない

以上のように聴き比べしてみて音質に関してはどの球も十分満足できる音であることは間違いないと感じました。順位をつけたり優劣をつけることは出来そうにありません。さすが300Bと言ったところです。

■ 次に外観や品質面での比較を行ってみました。
まずは真空管の収納箱です。

今回試験をした3種類の収納箱です。
左から「JJ社製JJ-300B」、「PSVANE製300B」、「Erectro-Harmonix社製300B GOLD」

上の画像はJJ社製JJ-300Bの収納箱の中の様子です。
JJ製は中にスポンジの緩衝材があり、真空管形状に型取りされていて真空管がすっぽり入るものです。箱の外からの衝撃にはびくともしない感があります。真空管の収納箱としては完璧かと思います。

上の画像はPSVANE300Bのものです。Erectro-Harmonixの300Bも同じような同形状収納箱です。
箱の一部が真空管の頭部を押さえて固定する一般的な方法の収納箱です。

大型の真空管は輸送や移動中に振動で壊れやすいため、いかに防振保護ができるかが重要になります。
この防振保護に関してはJJ社製が圧倒的に優位性があります。

■ 最後に外観の違いや品質について

真空管自体の作りですが、これもJJ社製JJ-300Bは他のものと違い真空管のガラス管厚みが厚く、大きさや重さが20%ほど大きくなっていて最も安定感があります。

長年JJ-300Bを販売していますが不具合が非常に少なく製品としての品質はかなり高いものと思われます。
下記は3種類の300Bの外観寸法等の比較表です。

JJ-300BPSVANE 300BEH 300B-GOLD
全長(高さ)mm165150150
管最大径 φ61.56160
頭部外径 φ443839
袴部径 φ272729
重さ g12689110

品質なども含め総合的にはJJ社製JJ-300Bが最も良いかと思いますが、音質+コストパフォーマンスからいうとPSVANE製300Bになるかと思います。