KT88で全段差動プッシュプルアンプを製作してみました。
KT88は見た目にもなかなか迫力のある真空管でビーム出力管と言われる真空管です。
また、トランスは今ではもう入手困難で貴重なTANGO製トランスを使用しました。やはりTANGOのトランスはいいですね。
回路は音にこだわり全段差動プッシュプル回路です。多少の出力は犠牲にしても音質にこだわればやはり全段差動でしょう。それでも最終出力は8W+8Wになりました。一般の音楽鑑賞には十分すぎる出力です。
内部の製作過程の写真です。
KT88のヒーター電流が大きいので太めの線で 配線します。
取付部品は平ラグ版に取り付け必要個所に配線していきます。
熱を考慮してコンデンサ類は真空管の足に直接取り付けることとはしません。必ず平ラグ経由で配線します。
配線の完成です。
本機の回路構成は初段と次段を6SN7を2個使い2段直結の差動回路を構成しています。
通常の差動回路はバイアスのバランス調整部分があります。(プッシュプル回路ではバイアス調整が必ず必要になります)
本機ではそのバイアス回路に自動バランス調整回路を採用しました。
この回路で経年変化での調整や真空管の差し替え時の面倒な調整が必要なくなり、いつでも気軽に真空管交換をすることが出来ます。
本機の大きな特徴です。
トランスは電源トランス、出力トランスともTANGO製トランスです。
出力トランスは40Wまで使用できるトランスで余裕のある動作です。出力トランスは出力真空管と共に音作りに重要な部品です。
とかく真空管プッシュプルアンプの音はシングルには勝てないと言われますが、全段差動アンプだけは違います。
プッシュプルで効率を求めているわけではなくあくまでもA級動作領域で音質にこだわっているのです。
プッシュプルの良い点である歪の少なさ、低域の安定性は備わっていますのでプッシュプルとシングルのいいとこ取りの回路です。
出力に関してはKT88のプッシュプル一般回路なら35~40Wは出るでしょう。この全段差動は8W+8Wです。
8Wもあれば十分すぎる大音量で音楽鑑賞できます。逆に35Wなんて一般家庭ではまず出さないかなと思います。
この「KT88全段差動プッシュプルアンプ」を限定1台奉仕品(6か月間無償保証付き)として販売しようと思います。
販売は音の工房アウトレット品・特別奉仕品ページから→https://otonokobo.jp/01_products/outlet.html
品名 | 全段差動プッシュプル真空管アンプ |
型式 | EL88全段差動PPアンプ |
周波数特性 | 5Hz~82,000Hz (8Ω負荷1W出力時-3dB) |
出力 | 8W+8W (8Ω負荷) |
歪率特性 | 全高調波歪特性 0.18%(2W) |
利得 | 22.3dB |
残留ノイズ | 0.5mV以下 |
ダンピングファクター | DF=10.0 |
入力感度 | 0.43V (8Ω4W出力時) |
入力インピーダンス | 20kΩ以上 |
スピーカー出力インピーダンス | 4~8Ω(16Ω可) |
電源電圧と消費電力 | AC100V±5% 50/60Hz 消費電力175W |
外形寸法 | (幅)402×(奥行)290×(高)180 mm |
質量 | 約13kg |
使用真空管 | KT88(4本)、6SN7(4本) |
入力端子形状 | RCA |
出力端子形状 | ターミナル バナナプラグ対応 |
AC100Vコネクタ形状 | 3P ACインレットタイプ |
使用ヒューズ定格 | 4A125V(または4A250V) |
出力回路名 | 全段差動式プッシュプル回路 |
付属品 | 電源ケーブル、取扱説明書、保証書 |